HOME > 星読み師たちの総合ブログ > アーカイブ > あぐり > 虎に出会ってしまったら・・・

  • banner1.jpg
  • 電話で問い合わせ

虎に出会ってしまったら・・・

ひたすら自ら身を滅ぼすことに専念する女性がいる。

体調が悪いなら休んだらといっても黙々と仕事を続ける。

聞けば大病を患い、大手術を経験し内臓の一部が無いのだという。

そんな身体で無理が効くはずもない。

家庭環境も悪く父親も行方不明。母はアルコール依存症。

祖母が霊能者だったことが唯一の彼女の自慢だ。

その霊能力を生かして占い師になりたいというのが彼女の希望なのだが、一向にオーデションを受ける気配もない…。

タロットは当たらないし、ルノルマンカードの方が綺麗だということらしい…。

5時になり営業時間も終わろうとする頃、来客者からの問い合わせがあった。書類が届いていないということらしい。すでに彼女は4時に仕事を終え、本来では勤務時間外なのだが、なぜか窓口に出てその客の対応をしていた。

客はいつもこの店は対応が悪いと長々と話はじめ、半ばクレーマーになりつつあった。

彼女はクレーマーの話をまともに受け取り、私がこのお客様のために正しい対応をしなければならないと、半ば狂信的な使命感に燃え、閉店時間をとっくに過ぎているにも関わらず、引き継ぎのメモを作成しはじめた。

書類の管理は彼女の仕事ではないし、就業時間を過ぎてもいる、残業の許可も出ていないと指摘しても「私が叱られればいい。私が責任を取ります!!!」との返答。

自己犠牲への陶酔感も加わり、もはや彼女の理性は完全に狂信的熱狂と陶酔の中に埋もれてしまい、自分が正義の味方になることへの執着欲に支配されてしまっている。

つまり、中島敦の「山月記」の李徴のように「虎」になってしまったのだ。

人間の言葉も通じない…わずかに残された理性や良心はもはや風前の灯火だ…。いやもうすっかり消えてしまったかもしれない。

彼女の目的は地獄に堕ちることだ。もしくは地獄に生きることだ。そして地獄で共に生きてくれる人を探しまわって彷徨している。

何が彼女をそうさせたのか…もしかすると…彼女は地獄へ堕ちることで、母親から振り向いて欲しかったのかもしれない。幼い頃の彼女が「わたし、こんなあぶない目にあってるの。お母さん、たすけて!」と大人になった今でも叫び続けているのかもしれない…。しかし彼女の叫びは届かない…。それで彼女は復讐の鬼となったのだ。彼女を放置して愛さなかった母への復讐がこうして彼女の人生の最終目標となったのだ…。

「山月記」では虎になった李徴の最後の姿をこう記している…。

「虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に踊り入って、再びその姿を見なかった。」

この記事を書いた人

あぐり

人生を通じて、あなたが果たすべきミッションは何なのか、ということも明らかになるはずです。 困難に直面している方も、人生を豊かにしたいと思う方にも 占術によって拓かれる新しい世界を体験していただきたいと思います。

個人レッスンからオンライン・無料動画講座まで

副業OK!LINE占いや電話占いなど様々な形態で働けます

オンラインでチャット占いCoCoYomi

メルマガ登録はこちら

ほしよみ堂チャンネル
ほしよみ堂チャンネル

ほしよみシステム
ほしよみシステムは、生年月日や名前を入力するだけで四柱推命・紫微斗数・九星気学・姓名判断が一括で出せる総合鑑定サービスです。

< いつも私はダメと思ってしまうあなたへ 潜在意識を書き換えて「理想の自分」になりませんか?  |  一覧へ戻る  |  《手相占い》感情線④(感情線の向かう先による判断1) >

このページのトップへ

星読み師一覧

月別 アーカイブ