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木が人を育てる・・・?

人を育てるにはどうしたらいいのか、家庭でも職場でも尽きない課題だ。

自分の実の子供ですら何を考えているかわからない。

ましてや部下の気持ちなど皆目見当がつかない。

ではどうしたらいいのだろうか。

幸田露伴には三人の子供があった。それぞれに庭木をあてがったという。

不公平がないように同じ種類の木を一本ずつ。

蜜柑が三本、柿の木が三本。持ち主が決まっている。

持ち主は花も実も自由にとったりできるのだが、虫がついたら取ってやらなければならないし、肥やしを施すのも持ち主の役目だ。

みかんの花の香りはどんなか、そして花の奥には蜜を蓄えていること。猫やなぎ、ネズミモチの名前の由来はどんなものか。ハスの花が咲くときに「ポン」と音がするというが本当かどうか…etc

露伴はあるとき、“孫娘になんでも好きな木を買ってやるように”と娘の文さんに財布を預けた。

孫娘が欲しいと願ったのは藤の花の鉢植えだった。

大人の身長ほどもある見事な老木で、蕾の房がたくさんついている。

文字通り高値の花である。

そこで文さんは子供のねだるものを適当にあしらい、結局小さい山椒の木を買って帰ると、露伴は烈火の如く怒った。たとえ高値だったとしても子供の心を養うためと考えなかったのか、と。

藤の花をきっかけに他の花を愛おしむことを学べば、その子の生涯の心の潤いともなり、審美眼を養うことにもつながる、というのである。金銭を先に考えるのは言語道断なのだ。

「卒卓同時」ということもある。

子供が藤の花に興味を持ったのは一つの成長への意欲なのだ。

それに対して、外側から新しい世界への扉を開いてやるのが、親や教師や指導者の役割だ。

その瞬間を捉えて適切な対応をする。ケチってはいけないということだ。

新人の大工が塔を建てるような工事を請け負う時、ノコギリを入れるときが一番の緊張なのだという。柱になるような大木は二つとなく、切り間違えたら一巻の終わり。金銭で償えるものでもない。

ノコギリで切る際の新人の恐れは最高潮に達する。

しかし、これは同時に新人を一人前に育てる大切な階梯でもあるという。

未熟な若い職人の恐れは金額の損失という物だけではない。

何百年もかけて生育した大木には威厳と尊厳が備わっている。それらに位負け気力負けするのだ。

ただし同時にこの圧力が未熟な職人の胆力と気力を育てることにもなる。いちど大木を扱った若者は一気に精神的安定を勝ち取るのだ。

つまり木が大工を育てているのだ。

人間の育成を木に習ってみるのも良いかも知れない。

参考文献 「木」 幸田 文 新潮文庫

この記事を書いた人

あぐり

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