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亡き人との再会と・・・そして異界の住人たちと・・・ 『家守奇譚』  梨木香歩 著

亡き親友、高堂の実家の家守をすることになった主人公の綿貫征四郎。

さるすべりを愛でたばかりに、さるすべりに懸想される。

仕方なく、本を読んで聞かせてやると、主人公の書いた本を喜んで聞いているらしい…。

原稿料も入り肉でも食うかと、肉を持ち帰る道すがら犬が嬉しそうについてくる

帰宅すると、高道も姿を現し犬に肉をくれてやれという

主人公が嫌な顔をするや

「僕が生きていると思って、僕にやるつもりでやってくれ」という…。

庭の池から「けけけっ」と鳴き声がする

見れば緑の皿のようなものが浮いている

すくって持っていって近所の和尚に尋ねてみると、それは河童だという

殺生は好まないので滝壺に返してやった…

大きな雷の後白い木蓮の花が蕾をつけていた

聞けばそれは白木蓮がタツノオトシゴを宿したのだという

薬問屋がいち早く目をつけて買い取ろうとするのをキッパリと断った

数日後の雷のなか木蓮は白い花びらを落として龍を産んだ…

木槿の花をつける頃…

白いベール被った女性が蜃気楼のように現れる

何百年もの祈りが深く蓄積されてきたかのように

「信仰というものは人の心の深みに埋めておくもので、それでこそああやって切々と美しく浮かび上がってくるものだ…」

二百十日ともなれば風が吹く

風がふくと人の心もざわざわとする

些細なことに心ぼそくなり自己嫌悪をくり返す

悪循環とわかっていてもやめられないのを自虐的という…

その夜、高堂がやってきて戸の隙間に挟まっていた風虫を解き放ってやった…

湖の禊が済むと竹生島の浅井姫命のもとへ竜田姫がご挨拶に行かれたが

その時に侍女が一人行方不明になったという

侍女たちは鮎に乗って湖をわたっていくのだという…

仏門に帰依したタヌキが尼僧の姿になって現れる

気分が悪いので南無妙法蓮華経を唱えてくれと懇願される

やがて尼僧は農夫になり、また落武者へと姿を変える…

タヌキの尼僧が成仏できない魂をひろってきてしまうのだとか…

疏水へりを歩いていると古い蓑笠を被った老人に出会う

見慣れない顔だったと隣のおかみさんに話すと

それはカワウソです、取り憑かれないようにしなさい…

豊かな自然の情景と故人の想い、サルスベリの精や河童…

不思議な異界への扉を開ければ、そこは何故か懐かしい香りがする。

亡き人に会いたくなった時にはこの本の扉を開くと良い…

ふと思いたって亡き母の着物を繕っていると

「そこは真っ直ぐに布を張って縫えばおさまるの」

と声が聴こえた…

参考文献 「家守奇譚」 梨木果歩 著  新潮文庫

この記事を書いた人

あぐり

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