原宿の占い館【ほしよみ堂】紫微斗数、占星術、タロット、易、四柱推命など

「パワハラですよ。明日の準備ができなかったら、あなたのせいですよ。」

残業の必要もないのに、定刻に帰るよう促しただけなのだが、逆ギレとはこういうことか。

だが、昨今では「パワハラ」と訴えたもの勝ち。

パワハラ認定はパワハラされたと当人が思えばパワハラなのだという。何ともはや…。

後日、パワハラを受けたと主張した少女が出勤してきた。

挨拶もなし。仕事を手伝ってもガン無視。

「パワハラだ」と脅したあの勢いはどこに行ったのか？

パワハラで訴えられるとなれば法律の勉強も必要かな。果たして彼女は訴訟を起こすことは考えているのか。

いつまでも無視されていても仕事の効率が悪いので

「何かお手伝いできることありませんか」というと

「手伝っていただけるの、めっちゃ嬉しいです。」

あれ、無視じゃなかったのか。「めっちゃ」って、もう少し美しい日本語は使えないものかな。

「今朝も朝飯食べてないんでスゥ」

朝ごはんを食べるかどうかは彼女の自由だ…。日本は幸い民主主義国家で、朝食を食べるかどうかまで法律で規定はしていない…。

「今朝、一時間早くきたらぁ、めっちゃ忙しそうだったんでぇ」

特に聞いてもいないことを次々と話しまくる…。何が起きても「めっちゃ」なんだな…。

「もし時間が空いたらぁ、少しでいいからぁ、仕事のこと教えて欲しいんです」

おやおや、パワハラだと言い放った相手に向かって今度は教えろと…？

「阿Q正伝」という小説がある。

名前も不確か、家もなく日雇いでその日暮らし。「阿Q」という名前も呼び名だ。どこで生まれどこで育ったかもわからない。しかし以前は豪勢な暮らしをしていて、仕事は何をしても相当のことができる、と言いふらしている。

女性に言いよるものの逃げられた上、悪事がバレて村を追われる羽目に。

しばらく経ち、阿Qは金持ちになって村に舞い戻ってきた。商売でも成功したのか、と思いきや、実は盗賊の手下になっていたのだ。もちろん盗賊業など長続きはしない。

挙げ句の果てに政治活動に加わり捕えられて、処刑されていくのだ。

無知と貧困のなせる悲劇なのか。

現代の日本は教育制度も整い、日々の糧には事欠かない。

だが、人として何か決定的な何かを欠いた存在が排出されるのはなぜか。

心を育てるということができていないのだ。

指導されない人間は不幸なのだ。