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虎になってしまった!!!

「山月記」という物語は虎になった男の話だ。

袁という男が仕事で地方くだった際に「人喰い虎」の話を耳にする。

その地域の役人は早朝の旅は危険だと忠告するが、袁は大勢なのだから大丈夫だろうとタカをくくって出かけていく。

案の定、草むらより一匹の虎が飛び出しおそいかからんとしたが、なぜか虎は飛びかかるのをやめ草むらに戻り「ああ、あぶなかった」とつぶやくのだった。

袁はその声に聞き覚えがあることに気づき、「その声は我が友の李徴ではないか」と呼びかける。

その虎は旧友の李徴の変わり果てた姿だったのだ…。

虎はみずからの半生を語る…。

難関の試験に合格し仕事につくが、自分よりおとっていると感じた者の下で働くことに納得がいかず、詩をつくることで身をたてようとしたこと…。

その後も家庭をかえりみることもなく、かといって詩作の修練のために先生を求めることも詩友と交流し切磋琢磨することもなかったこと…。

プライドを守ることだけを考えて、自分の作品や生き方が検証されることを恐れたのだ。恐れという感情がやがて理性を飲み込み、虎となってしまったのだ。

虎とは理性の制御のきかない獰猛な生き物の象徴として描かれている。

ある女性の話がある。彼から別れを切り出されたというが、どうしても納得できないという。

その女性が他の男性に愛想が良すぎるというのが理由だ。それは言いがかりというものだ。

彼女は浮気をしたわけではない。カウンター越しに接客するという仕事なのでもちろん他の男性客と話をする機会はある。彼はそんなことは最初からわかってもいた。

話を聞くうちにその男性が彼女に対して嫉妬しているのだということがわかってきた。

彼女の方が仕事もできるし、人間的も魅力的だ。それで男女を問わず彼女に人気が出てしまったのだ。

当初は男性側がその女性に対して社会的地位も評価も上という自信があったのだが、今や形成は逆転してしまった。男性は女性に対する支配欲を満たすこともできず、優位性も保てなくなってしまったのだ。

それで彼は復讐として「別れ」を切り出したというわけだった。

ときに人は自尊心や支配欲を満たすために行動するけれども、常にそれは「正義」や「正当性」といったヴェールをまとっている。

自分が正しさを主張するとき、その感情の源泉はどこなのだろうかと改めて問い直す必要はありそうだ…。

理性を封じ込めた虎にならないためにも。

                        参考文献「山月記」中島敦 新潮文庫

この記事を書いた人

あぐり

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