原宿の占い館【ほしよみ堂】紫微斗数、占星術、タロット、易、四柱推命など

今各地でご神事の復活が取り組まれている。戦後から経済成長期に見捨てられた聖地をふたたび見直して整えようという試みだ。それはコロナ禍を経てますます盛んになってきている。

ご神事を復活させることは同時に失われた共同体の復活を意味する。

奥三河の花祭りは大晦日の晩から正月にかけてのご神事である。正月二日日の晩から未明まで子供達が踊り続ける様子は、不思議な感動を覚える。普段は公民館とおぼしき集会場に円になって踊り続ける。踊りの輪に連なることができるのは本家の長男。一子相伝の舞である。一晩中続く笛や太鼓。人間の意識を非日常へと誘う時間だ。

ひとつのご神事を完成させるには地域や社会の人々の力を合わせることが必要になってくる。舞の舞台に立つ子供達には、多くの時間をかけて舞の指導がなされる。衣装もつくらなければならない。多くの人々が一つのご神事に向けて懸命になるとき、皆の心に灯がともされたようになる。その灯は自分たちがどこからやってきたか、どこに向かうべきかを知っている。

日常の中で物質的な満足を満たすためだけに生きていると、時々大切な何かを忘れてしまう。日本におけるご神事は、そんな日常から開放される時間なのだ。その時間を共有することで、人間の本質的な絆が育まれていくのだ。

現代はあらゆることが競争の場となっている。

職場に最初に到着したものが客をとる。誰よりも自分は優れていないと安心できない。あの人は上司から優遇されているのに、私はどうして同じように扱ってもらえないのか。うちの子よりも隣の子が成績が良いのは先生の評価が間違っている。

常に現代社会は誰かと比較して闘争に勝つことだけに価値を見出している。

常に勝者でいないと安心できない。

そんな闘争の果てに得られるのは何なのだろうか？

近代、特に産業革命以降、生産性の向上による物質的な豊かさを人類は享受してきた。飢えや寒さを凌ぐことができる食糧や衣服が増産され、人類はまたたくまに人口を増やしたのだ。

しかし一方で高い賃金を求めて若者は都会を目指し、代々続いた先祖からの家族のつながりや共同体のつながりを失いつつある。都会での生活はすべて競争と戦いと合理主義に彩られ人間とは何かとか、どう生きるべきか、など疑問を挟む余地もない。

ご神事の復興に携わることで新たな自分自身を発見してみてはどうだろうか？