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天を舞う鷹のまなざしで 「人間の大地」サン=テグジュペリ

「人間の大地」(サン・テグジュペリ)の本の扉を開けると…

そこには天を舞う鷹にでもなったかのような世界が広がる。

夜間飛行の下では、真っ暗な闇の大地の上に、人間の生活のともしびがぽつんぽつんと灯っている。

それはまるで孤立しながらも繋がりをもとめて輝く星々のようだ。

中にはみずから光を閉ざしたり、眠ってしまったものもある。

だがそれらは繋がりを取り戻すことで再び輝くはずなのだ。

サン=テグジュペリの時代、まだ航空技術は黎明期。彼の生誕は1900年、ライト兄弟が有人動力飛行を成功させたのは1903年。

はじめて彼が空を飛んだのは何と12歳の時だったという。

それ以来彼は飛ぶことに魅せられ、空軍を経て民間航空機の郵便機のパイロットとなる。

当時の飛行機というのは現在のジェット機とはだいぶ様相が異なる。

サン=テグジュペリが12歳の時に乗ったのは、おそらく「複葉機」だ。

宮崎駿の「紅の豚」のライバルのカーチスが乗っている2枚の翼がついたものを想像すると良いかもしれない。

コックピットも開放されているから、パイロットは風を感じることもできるし、他の飛行機のパイロットの顔まで確認できたはずだ。もしかすると会話もできたかもしれない。

ある郵便機の夜間飛行のときのこと、サン=テグジュペリのあやつる飛行機はサハラ砂漠の中で航路を見失い、海上に出てしまっていた。その時はもう燃料切れまであと1時間。

しかし、真夜中にも関わらず、必死の無線通信に地上の基地が目覚め答えてくれる…。

次々と送られてくる通信信号に「空しい熱情ではあったが、熱情であることに変わりなかった。不毛な助言ではあったが、なんという優しさがこめられていたことか!」とサン=テグジュペリは書いている。

そして…死を覚悟した彼らの飛行機にもたらされたのは4000キロ彼方のトゥールーズからの知らせだった。

「貴殿の乗機は…(中略)…まだ二時間の燃料あり…。」

「このように、職業の強制するさまざまな必然が世界を変容させ、世界を豊かにする」

人々が職業による結びつきを実感する瞬間だ。

そしてサン=テグジュペリは語る。

「職業の偉大さとは、おそらく、何よりもまず、人間たちを結び合わせることだ。真の贅沢はひとつだけしかない。それは人間関係という贅沢だ。」

人間として生きる喜びとは何か疑問に感じた時「人間の大地」のページを開いて、鷹のような眼差しで世界をながめてみるのも良いかもしれない。

                              参考文献『人間の大地』 サン=テグジュペリ 山崎庸平 訳 みすず書房

この記事を書いた人

あぐり

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