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そのスマホを置けない人に、成長はあるのか

人から何かを指摘されている最中に、目の前でスマホをいじる人がいる。

話を聞いているのか、聞いていないのか。
こちらが真剣に話していることに気づいているのか、いないのか。

そんな態度を目の当たりにすると、指摘している内容以前に、相手の姿勢そのものに疑問を感じてしまう。

もちろん、誰だって注意されたり、指摘されたりするのは気持ちのいいものではない。

自分の間違いを認めることは簡単ではないし、時にはプライドが傷つくこともある。納得できないことだってあるだろう。

しかし、だからといって、相手の話を聞く姿勢まで失っていいわけではない。

むしろ、そういう場面にこそ、その人の人間性や仕事に対する向き合い方が表れるのだと思う。

指摘されているとき、人は本性が出る

人は、自分が評価されているときや、褒められているときには、比較的気持ちよく相手と向き合える。

けれど、自分の至らなさを指摘されたときはどうだろう。

急に不機嫌になったり、言い訳を始めたり、話をすり替えたりする人がいる。

中には、相手の話を聞くことそのものを拒むように、スマホを触り始める人もいる。

これは一見、些細な行動に見えるかもしれない。

けれど、相手からすれば、自分の話を軽視されているように感じる。

言葉で「聞きたくありません」と言わなくても、態度は十分にそれを伝えてしまう。

そして、こうした態度は、本人が思っている以上に周囲から見られている。

仕事ができるかどうか以前に、人として相手と向き合えるかどうか。

その基本的な部分が問われているのだと思う。

プライドが高い人ほど、指摘を受け入れられないことがある

興味深いのは、プライドが高い人ほど、自分の非を認めることに強い抵抗を示す場合があること。

自分の間違いを認めることを、負けだと思ってしまう。

指摘を受けることを、人格そのものを否定されたように感じてしまう。

だから、素直に話を聞くよりも先に、自分を守ろうとしてしまう。

しかし、本当の意味で自分に自信がある人は、必ずしも指摘に対して反発する必要がない。

自分の価値と、自分の間違いを切り離して考えられるからだ。

間違えたからといって、自分の価値がなくなるわけではない。

知らなかったことを教えてもらうことも、できなかったことを改善することも、決して恥ずかしいことではない。

むしろ、自分の未熟さを認められる人の方が、長い目で見れば大きく成長していく。

プライドを守ることと、自分の価値を守ることは、似ているようでまったく違う。

指摘する側も、決して楽ではない

ここで忘れてはいけないことがある。

誰かに何かを指摘するという行為は、実は伝える側にもエネルギーが必要だということ。

相手との関係性を考えながら、どこまで伝えるべきか、どう伝えれば理解してもらえるかを考える。

場合によっては、嫌われることを覚悟して伝えなければならないこともある。

特に仕事では、問題を見つけたときに見て見ぬふりをする方が簡単な場合もある。

何も言わなければ、その場は波風が立たない。

相手の機嫌を損ねることもない。

それでも、あえて時間を使って伝えるのは、改善してほしいという期待があるからだ。

その気持ちを受け取るどころか、スマホを操作しながら話を聞く。

これでは、伝える側も「もう何も言わない方がいいのかもしれない」と感じてしまうだろう。

そして、もっと怖いのは、指摘されなくなることだ。

人は、注意されなくなったからといって、必ずしも成長したわけではない。

相手が伝えることを諦めただけかもしれない。

成長する人は、まず受け止める

成長する人と、なかなか成長できない人。

その違いは、能力や経験だけではないと思う。

大きな違いのひとつは、人からの言葉をどう受け取るかだ。

成長する人は、指摘された瞬間に反論することよりも、まず相手の話を最後まで聞こうとする。

もちろん、すべての指摘が正しいとは限らない。

相手の認識が間違っていることもあれば、伝え方に問題があることもある。

だからこそ、まずは聞く。

そのうえで、自分の考えを伝えたり、必要であれば認識をすり合わせたりすればいい。

聞くことと、従うことは違う。

相手の意見を受け止めることは、自分の意見を捨てることではない。

この違いを理解している人は、感情に振り回されず、必要なことを自分の成長につなげていける。

反対に、最初から聞く姿勢がなければ、どれだけ有益なアドバイスを受けても、自分のものにすることは難しい。

小さな態度が、大きな信頼の差になる

人間関係において、信頼は大きな出来事だけで築かれるものではない。

挨拶の仕方、返事の仕方、人の話を聞くときの態度、約束を守ること。

そうした日常の小さな積み重ねによって築かれていく。

そして、同じように小さな態度の積み重ねによって、信頼は失われていく。

たとえば、誰かが真剣に話しているときに、スマホを置いて目を向ける。

相手の話を最後まで聞く。

すぐに言い訳をせず、一度自分の中で考えてみる。

たったそれだけのことでも、相手に与える印象は大きく変わる。

特別な能力も、難しいスキルも必要ない。

必要なのは、目の前の人と向き合おうとする意識だ。

最後に。人の話を聞ける人でありたい

年齢を重ねても、役職が上がっても、経験を積んでも、人から学ぶ姿勢を失ってはいけないと思う。

むしろ、立場が上がるほど、自分に直接意見を言ってくれる人は少なくなっていく。

だからこそ、自分に何かを伝えてくれる人の存在は貴重なのだ。

指摘されたときに、すぐに自分を正当化しようとするのか。

それとも、一度立ち止まって、自分に改善できることはないかと考えるのか。

その選択の積み重ねが、数年後の自分を大きく変えていく。

スマホを触ること自体が悪いのではない。

問題は、その場で何を優先しているかということ。

目の前の人が自分に向けてくれている時間や言葉を、どれだけ大切にできるか。

そこには、その人の礼儀も、謙虚さも、仕事への姿勢も表れる。

人の話を聞く姿勢は、その人の品格を映す。

どれだけ知識があっても、どれだけ仕事ができても、人の言葉に耳を傾ける姿勢がなければ、周囲からの信頼を得続けることは難しい。

何歳になっても、どんな立場になっても、素直に学べる人でありたい。

そして、自分にとって耳の痛い言葉ほど、一度は真剣に受け止められる人でありたいと思う。

赤羽うさぎ

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