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私だって、売れたかった。

同じ夢を追いかけていた仲間が、先に売れた。

SNSを開けば、ライブの告知。
個展の成功。
大きな仕事のオファー。
増えていくフォロワー。

「おめでとう!」

そうコメントを打ちながら、心のどこかがザワついている。

嬉しいはずなのに、素直に喜べない。

自分だって頑張っている。
自分だって、本気でやっている。

なのに、どうしてあの人ばかり?

そんなことを考えてしまう自分が嫌になる。

でもね。

仲間の成功を喜べない日があっても、あなたが性格の悪い人間だということにはならない。

今日は、そんな綺麗事では片づけられない感情の話をしたいと思います。

「おめでとう」の裏側にある本音

同じ世界で頑張っている人の成功は、ときに残酷です。

まったく違う世界にいる人の成功なら、素直に「すごいな」と思える。

でも、自分と同じように作品を作り、悩み、努力してきた仲間が先に評価されると、話は別です。

「何が違ったんだろう?」
「自分には何が足りないんだろう?」
「もしかして、あの人には才能があって、私にはないのかな?」

気づけば、相手の成功を見ていたはずなのに、自分の欠点探しが始まっている。

しかも厄介なのは、相手が嫌いなわけではないこと。

むしろ、頑張っていたことも知っている。
努力していたことも知っている。

だからこそ、祝福したい気持ちも本物。

それなのに、悔しい。

誰かを応援する気持ちと、自分も認められたい気持ちは、同時に存在するんです。

人間の感情は、そんなに都合よく整理できません。

嫉妬するのは、本気だから?

「人と比べても意味がない」
「自分は自分。他人は他人」

そんなことは、本人だってわかっています。

でも、わかっていても比べてしまう。

特にアーティストや表現者にとって、自分の作品は単なる商品ではありません。

時間をかけて作ったもの。
自分の感性を注ぎ込んだもの。
ときには、人に見せたくないほどの弱さや本音まで込めたもの。

だから、作品が評価されないと、自分自身が否定されたように感じてしまうことがあります。

一方で、仲間の作品が評価される。

すると、頭では「作品への評価と人間としての価値は別」と理解していても、心はそう簡単には割り切れません。

ただし、嫉妬すること自体を、努力の証明にする必要もありません。

嫉妬する人が必ず本気とは限らないし、嫉妬しない人が本気ではないわけでもない。

大切なのは、その感情を持った自分を責め続けることではなく、自分が何に反応しているのかを知ることです。

本当に悔しいのは、相手が成功したこと?

ここで、少し考えてみてほしいのです。

仲間が成功したことそのものが、そんなに嫌なのでしょうか。

それとも、自分がずっと欲しかったものを、先に手に入れられたことが苦しいのでしょうか。

本当は、もっと多くの人に作品を見てほしい。

自分の才能を認めてほしい。

好きなことを仕事にしたい。

努力が報われてほしい。

自分だって、あの場所に立ちたい。

もしそうなら、あなたが苦しいのは、仲間の成功だけが原因ではありません。

自分が本当に欲しいものを、改めて突きつけられているからなのかもしれません。

誰かの成功が、自分の中にある願望を照らし出してしまう。

だから、眩しい。

そして、ときには痛い。

でも、その痛みの中には、自分がまだ諦めきれていないものが隠れていることがあります。

嫉妬した自分を、無理に美化しなくていい

嫉妬したとき、無理に「これは成長のチャンス!」と前向きに変換しなくてもいいと思います。

悔しいものは、悔しい。

羨ましいものは、羨ましい。

自分より先に進んだ仲間を見て、落ち込む日だってある。

そんな感情を、わざわざ綺麗な言葉で包まなくてもいいのです。

ただし、ひとつだけ気をつけたいことがあります。

自分が苦しいからといって、相手の成功を否定し始めないこと。

「あの人は運がよかっただけ」
「人脈があるから売れたんでしょ」
「作品より、売り方がうまいだけ」

そう思いたくなる日もあるでしょう。

実際、成功には才能だけでなく、タイミングや環境、人との縁も関係します。

でも、相手の価値を下げたところで、自分の価値が上がるわけではありません。

相手を批判することにエネルギーを使っている間、自分が本当に向き合うべき課題は置き去りになってしまいます。

嫉妬を感じることと、嫉妬に人生を支配されることは違うのです。

あなたは、何を手に入れたいのですか?

占いの相談でも、誰かと自分を比べて苦しくなっている人はいます。

仕事で評価されたい。
自分の才能を知りたい。
このまま続けていていいのか、不安になる。

そんなとき、未来がどうなるかを知りたくなるのは自然なことです。

でも、未来を知ることと、自分の人生を進めることは別です。

「あの人は成功する運命だったのか」
「私はいつになったら認められるのか」

そこばかり気にしていると、いつの間にか、自分の人生なのに他人が主役になってしまいます。

あの人がどこまで進んだか。
誰に評価されたか。
何を手に入れたか。

そればかり見ていたら、自分がどこへ向かいたかったのか、わからなくなってしまう。

だからこそ、嫉妬したときには、自分に問いかけてみてください。

「私は、本当はどうなりたいんだろう?」

有名になりたいのか。
作品を多くの人に届けたいのか。
経済的に自立したいのか。
自分の表現を認めてもらいたいのか。

それとも、誰かに「あなたの才能を信じている」と言ってほしいだけなのか。

答えはひとつではないし、途中で変わってもいい。

でも、自分の本音がわかれば、他人を見ているだけだった視線を、少しずつ自分の未来へ戻せるはずです。

仲間の成功を喜べない日があってもいい。

でも、その人を羨んでいるうちに、自分の夢まで見失わないでください。

あなたが本当に向き合うべき相手は、いつだって他人ではなく、あなた自身なのだから。

赤羽うさぎ

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