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2026年3月11日 水曜日 甲申 大樹を揺らす風渡り 旅の始まり 告ぐる朝

甲は、地に深く根を張り、天へと枝葉を広げる大木の象徴です。
長い歳月を経て成長した木は、ただ高く伸びるだけではありません。

四方へ枝を分かち、光を求めながら空へ広がり、同時に見えない地下では根をさらに深く伸ばしています。

一方、申という文字には「伸びる」「通る」「伝わる」という意味が含まれます。

干支の象意では、秋の気配が初めて風に混じる頃。

夏の熱がやや静まり、空気が澄み始め、風が木々を通り抜けてゆく季節です。

甲申の日とは、まるで秋風を全身で受け止めて葉を揺らす大木のような気配を帯びています。動きのある風を受けながらも、幹は動じず、深い根が静かに大地をつかんでいる。

揺れながらも倒れない強さを象徴する日です。

この日の空を見上げると、月は終日射手座に滞在しています。

射手座の月は視野を遠くへ広げ、精神を高みに導く月です。

旅や学び、未来への理想を思い描く力を刺激し、「もっと遠くへ行けるのではないか」と心を鼓舞します。

一方で、空のもう一つの大きな流れとして、蟹座の木星が順行へ転じるタイミングにあります。木星は2025年6月から蟹座に滞在し、家庭や居場所、感情の安全、そして人を育て守る力を拡大してきました。

しかし昨年秋以降は逆行に入り、それらのテーマを内側から見直す時間が続いていました。

木星が順行に戻るということは、その見直しの時間が終わり、再び成長の流れが外へ向かい始めることを意味します。

守るべきもの、育てたいもの、安心できる場所――今まで木星が蟹座で温めてきたテーマが外向きに動き出す時です。

同時に、太陽・水星(逆行)・火星は魚座にあります。

魚座は境界を溶かす水の星座。

理屈だけでは測れない感情、直感、夢、潜在意識の領域を象徴します。

水星が逆行しているため、思考や言葉はやや曖昧になりやすく、過去の記憶や感情が再び浮かび上がることもあるでしょう。

こうして天体配置を重ねてみると、この日はとても象徴的な構図を描きます。

射手座の月は遠くの理想を見上げ、
魚座の天体は心の深い海に耳を澄ませる。


そして蟹座の木星は、帰る場所をもう一度育てようとしている。

干支の甲申を重ねて読むなら、まさに風の中に立つ大木の姿です。

大木は風に逆らいません。

葉を揺らしながら風の流れを受け止めます。

しかし、根はしっかりと大地をつかんでいる。揺れることはあっても、倒れることはありません。

この日の天体の意味をひと言で表すなら、

「直感の海から、信じる方向へ舵を切る日」

と言えるでしょう。

射手座の月は未来を望み、
魚座の太陽と火星は魂の奥の声を聴く。
そして順行へ戻った木星は、運の流れをゆっくり前へ押し出します。

だからこの日は、勢いだけで決断するよりも、自分が本当に守りたいもの、育てたいもの、信じたい未来を見極めることが大切になります。

ただし水星はまだ逆行中です。情報の早合点や言葉の行き違い、曖昧な期待の押しつけには少し注意が必要でしょう。

決めたつもりのことほど、もう一度確かめてみる。

その丁寧さが、後の流れを整えてくれます。

遠くを見る心と、深く聴く魂。
そして静かに前へ動き始める運の流れ。

この日は、揺れる葉を持ちながらも、
大地に根を張る一本の木のように――
自分の内なる確信を信じて立つ日と言えるでしょう。

この記事を書いた人

あぐり

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