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光は隠れても、消えるわけではない ― 易「地火明夷・五爻」からのメッセージ

「彼とはもう終わってしまったのだろうか」。
長い年月を共に歩み、コンサートや食事の思い出を重ねてきた相手から、ふいに連絡が途絶えたとき。

胸に広がるのは、拒まれたのではないかという恐れと、自分に何か至らぬ点があったのではないかという悔いでしょう。

その思いは夜更けや一人きりの時間にふと顔を出し、心を重く覆います。

そんな問いに対して、易は「地火明夷・五爻」を告げました。

明夷とは、光が地の下に沈み、傷つけられる象。真昼の太陽が濃い雲に覆われるように、輝きが一時的に閉ざされている状態を示します。

けれども、それは光そのものが消えたのではありません。光は確かにそこにあり、ただ覆い隠されているだけなのです。

五爻は、古代の聖人・箕子が暴君のもとにあっても心を失わず、内に光を秘めて時を待った故事に重ねられます。

つまり「誠実を保ち、静かに待て」という教えです。

あなたが今なすべきことは、相手を問い詰めたり、焦って連絡を重ねることではありません。

彼の沈黙は必ずしも拒絶を意味せず、むしろ彼自身の事情や感情を整理するための時間なのかもしれません。

外側から光が奪われているように見えても、心の奥にある火までは消えてはいないのです。

こうした時期にこそ大切なのは、「自分の光を失わないこと」。

彼がどう思っているかばかりを気にして、自分の魅力や生き方を曇らせてしまうのは、本当の意味での敗北です。

敗北とは外から与えられるものではなく、自らの魂を裏切ったときにのみ訪れる――易はそう告げています。

だからこそ、今日からできることは小さなことです。
朝、鏡に向かって自分に微笑む。机の上を整える。

心を落ち着けて手紙を書くように、日記に自分の気持ちを綴る。日常の中に小さな秩序をつくることが、心に光を取り戻す最初の一歩となります。

やがて、彼からの連絡というかたちで光が差し込むこともあるでしょう。

あるいは、思いもかけない新しい縁が開かれるかもしれません。いずれにしても、自分の光を守り続けた人には、必ず新しい道が照らされるのです。

――「光は隠れても、消えるわけではない」。
それは彼に向けられた言葉であると同時に、いまこの時を生きるあなた自身に向けられた言葉でもあります。

この記事を書いた人

あぐり

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