原宿の占い館【ほしよみ堂】紫微斗数、占星術、タロット、易、四柱推命など

限りない現実への欲望をかかえた狼貪星と高貴な指導者としての紫微星を併せ持つものは、限りない葛藤と懊悩をもつかもしれない。

紫微星は北天の空高く不動の理想と信念に燃えて、宇宙をすべからく照らし出す星、その輝きですべての星々を導く高貴な魂を持つ星なのだ。北極星＝ポーラスターは全人類が目指すべき方向性を指し示す。

「封神演義」では貴公子「伯邑」として登場する。

心が清らかで民衆から尊敬され琴の名手でもあったというから、政治的に優れた指導者というだけにとどまらず、芸能の才もあり高い美意識をかねそなえていた人物。

紫微星・白邑は、冤罪によって幽閉された父の救出のために王都に向かう。

そこで狼貪星・妲己に一目惚れされ何度も誘惑されるのだが、伯邑は断固として彼女の誘いを跳ね除けたために処刑されることとなる。

死をも彼の信念と志を曲げることはない。そして伯邑の遺体は、あろうことか肉団子にされ父の元へ。父は息子の肉と知りながらあえて口にし、獄から解放されたのちに吐き出すと、肉団子は白いウサギとなって天にのぼっていく。

父は後の名君・文王となる。

自らの死を持って父を救い、父を救うことで多くの民が救われる。

紫微星はいかに生きるべきかを地上の人間たちに教えてくれる。

誘惑や脅しの前に屈服するのか、死をも辞さずおのれの道をつらぬくのか…。

一方で狼貪星は地上での恋愛・欲望・交際・快楽を求める星。

欲しいものは必ず手に入れる。そのための行動力も実力もセンスも美しさも備わっている。いわゆる遊郭の高級遊女。

言わば、ハリウッド女優のような美貌と上流社会の教養を持ち合わせた存在だ。

狼貪星は「封神演技」の妲己という美女。

もとは善人だった殷の皇帝「紂王」を誘惑し、地位・財産・権力をほしいままにする。しかし、伯邑の高貴な魂に出会って、妲己の魂は激しく揺さぶられる。

清く美しい彼の魂に触れたい、所有したいという欲情にかられるのだ。

もちろん、妲己の中にも伯邑の持つ高貴な紫微星の魂があるからこそ、それらを希求するのだ。

手中におさめることはできないが、永遠に求め追いかけざるを得ない存在。

それが狼貪星にとっての紫微星だ。

相反すると思われる紫微星と狼貪星を命宮に持つものは、天の理想に向かって現実を切りひらく類まれな才能と力を持つことになるのだ。

この一件相反するような星をあわせ持つものは、天上の美をこの世の美として実現していける可能性を秘めた稀有なものなのだ。

そんなふうに捉え直してみれば、また新しい人生がひらけてくるのではないだろうか。