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星読み師たちの総合ブログ : 某 件太郎 アーカイブ

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神無月~霜月(12)

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神無月~霜月(11)

 

の続き。





思いがけない母の電話で目を覚ました後、 

あんちゃん(叔父)と祖母との朝食と昼食をあわただしく済ませ、

14:00の面会時間にあわせて、

通りがかりの食料品店で母本人から言付かった、

“梅干”を買い求め、

母のいる病院へと向かった。

 

SCUの入口で例の入室の儀式を済ませ、

母のいるベッドへ行くと、

やはり母は大きないびきをかいて寝ていた。

昨日と変わらぬさも重病人然とした母の様子に、

朝に受けた電話がなんだか嘘のような気がした。


看護師が寝ている母の肩を叩いて起してくれた。

目を覚ました母は昨日同様、やはり“ろれつ”がまわっていない。

それはそうだろう、手術後1日や2日でそんなに回復するはずもなかろうに。

しかし一体、今朝の電話は急激に回復したかのような出来事だったのに。

 

 

聞き取りにくい口調で母は言った。


「アイ、スクリーム・・・いつものやつ。」


「え?」

また食べ物ことをいっているらしい。

その上、“いつものやつ”などといわれても、

僕と母は離れて生活してきたわけであるから、

母が日常、どんなアイスクリームを好んで食べていたかなど

僕が知るはずもなく、

そんな様を察して母は、


「ほら、ただのバニラの普通のやつ」


「え?」

僕にいわせれば、

“バニラ”は全て“ただのバニラ”なのであって、

一体この世の中に、“ただの”ではないバニラなんてあるのだろうか。

イヤ待て。ひょっとして“質”の問題なのか?

だとすれば特定の産地のバニラビーンズに厳選した

こだわりの逸品 みたいなのが、

“ただの”以外に該当するのであろうか?

そして果たしてそんなものがここいら辺に売られているのだろうか?


と一瞬、考えをめぐらしたが、

ああ、なるほど。

母にとって“ただのバニラ”以外のバニラとは、

“抹茶バニラ”だとか“チョコレート&バニラ”だとかの、

バニラ以外のナニカとの“混合バニラ”のことをいっているのだ。

それならば合点がいく。


だがしかし、母が言うところの、

“ただのバニラ”タイプにしてもメーカーによって

何種類かはあるだろう。

となれば他の混合物を含まない純然たる“ただのバニラ”でもあり、

かつ何のへんてつもない“普通のやつ”でもある、

この両方の条件を満たすバニラアイスクリームこそが

母が真に欲するところのもの、

ということになるが、


う~ん、普通のやつね~・・・。

 


笑いをこらえきれていない看護師の横で

眉間の皺とともに真剣に考えあぐねている僕をみた母は、


「すーぱー」


といった。

瞬時にすべての謎が氷解した。

 

「スーパーカップ バニラ味」


これこそが、

母が求めてやまなかったアイスクリームであったのだ。


いわれてみれば、


“ただのバニラの普通のやつ”


まさにそのものである。


あくまでも推測ではあるが

かといって例えば“ハーゲンダッツ バニラ味”

などを通常食としていらっしゃる御仁も

もちろん居られるであろうが、

あくまで主観だが

おそらく僕を含む日本の中流以下一般庶民諸君の間において、

この“スーパーカップ バニラ味”ほど

“シンプルバニラアイス”として定着しているものは類なく、

たしかに合い通ずるところのものである。

であればこそ、もっとはやくに気付けなかった、

自身の読解力の薄弱さと機転の利かなさを呪った。

 

かくして看護師にアイス購入の許可を得たあと、

下階の売店で

“ただのバニラの普通のやつ”こと

“スーパーカップ バニラ味”を買い求め、

再び母の待つ病室へ戻った。


買ってきた品を手渡すと、

母は付属の木べらスプーンで、

まるで子供のように口に掻きこもうとした。


しかし今さっきまで冷凍室にいた

ただのバニラの普通のやつは

木へらごときの掻き削りには

びくともしないほどの固形物である。

不動の本体をよそに

表面に付着した氷片のみが母の口へとこぼれていった。


その様子を見ていた看護師は気を利かせて、

ステンレス製のスプーンを持ってきてくれた。


頭部から出ている2本の管と点滴に阻まれ、

そうでなくとも術後の頭内部の安静を保つために、

寝たままの姿勢を維持しなければならない母にとって、

もはや独力で、この普通のバニラアイスを食べること

それすらが難題であった。


僕はアイスを母の手から取りあげ、

スプーンに少なめに乗せたアイスを母の口へと運んでやった。


おいしそうにアイスを頬張る母の姿に、

押し寄せる安堵感とともに

緊張が解けたのか、ぐったりと自分の体が重くなっていくのを感じた。

 

 

次回に続きます。

茶の湯ディテール

風炉03s.JPG

 

陰陽五行論の基本となる図に

後天八卦図(こうてんはっかず)というものがあります。

陰と陽の組み合わせによって、乾兌離震巽坎艮坤の8つに分かれる八卦に

それぞれ天沢火雷風水山地象の意を与え、

それに、南、北、東、西、南西、北西、南東、北東の8方位を振分けます。

さらにそれぞれに色や味、地位、人物像などの意味をつけます。

後天八卦図2.jpg

 

 

茶の湯では、茶室は4畳半が基本とされています。

その4畳半の間取り図に、この八卦図を重ねてみますと、

茶法を行うのにもっとも適した空間であり、

さらに陰陽五行論が高い密度で応用されていることがよくわかります。

 

茶室五行図.jpg

亭主は坤(南西)から入り、

点前畳(てまえたたみ)に座って、乾(北西)で茶を点てます。

1番客(正客)は、坎(水)の位置に南を向いて座り、

亭主のもてなしを受けます。
 
 
これは【易経】の中の十翼にある説卦伝の【離卦】の説明文にある、
 
 “聖人南面して天下を聴き、明に向かいて(世を)治む。”
 
という記述が元になっていると思われます。
 
 
 
また5月から11月までの点前では、風炉(ふろ=火鉢)という道具を使います。
 
ここでは、
 
風炉を納める棚を木、
 
炭を火、
 
風炉を土、
 
釜を金、
 
釜の中の湯を水とします。
 
 
この火鉢の中の灰に水の卦を書くのは、
 
炭の火気を抑えるという意味を持っています。
 
風炉灰に散らされた白い蒔灰も、
 
雪(水気)を表しており、
 
これもまた火を抑える意味がこめられています。
 
 
さらに風炉の使用後、
 
灰さじで炉灰に差込跡をつけることを
 
 “月形を切る” といいますが、これも月=太陰、すなわち陰水の形を
 
使用後の灰に刻むことで、火気を抑える意味があるのです。
 
 
 
八卦盆02s.JPG
 
 
 
行之行台子(ぎょうのぎょうだいす)という奥伝の点前で使用される八卦盆(はっけぼん)。
 
後天八卦図がそのまま、黒漆 と螺鈿(貝を使った装飾法)で見事に表現されています。
 
客は北に座り、南を向くことで、君子の礼を受け、
 
亭主は南にすわり北を向き客に対することが理想とされているため
 
離の卦を手前にして持つことが習わしとなっています。
 
 
 
 
今回ご紹介したのはほんの一部ですが、
 
茶の湯の随所に陰陽五行論が応用されているのがお分かりになっていただけたと思います。
 
 
陰陽五行論をその術の根本に据えている僕達、東洋占術家にとって、
 
こうして共通する理論を持つ“茶の湯(茶道)”は非常に興味深い分野であり、
 
哲学や理論を芸術にまで高めた先人たちの美意識を体感できる文化なのです。 

茶史、芸術への昇華

現在伝えられている茶道=茶の湯は

千利休が大成したことで有名ですね。


つい日本独自の文化であると思われがちですが、

多くの日本文化と同様、

もともとは中国から輸入されたもので、

その起源は唐代に陸羽が著した「茶経」にまで遡ることができます。


そして当時(唐代)の中国で主流だった思想に、

【陰陽五行論】があります。

陰陽五行論とは一言でいうと、

この世のすべては木火土金水の

5つの要素で成り立っているという思想です、


ですから古代中国に起源をおく思想、哲学、占術の大半が、

この陰陽五行論を基本に成り立っていると考えられるわけです。


古代中国でこの法則は政治家たちのニーズによって占術に応用され、

そして文化人のニーズによって芸術へと昇華されました。

 

哲学の芸術への昇華、その一つが茶道です。

 

陸羽が「茶経」に残した理論と秘法は、

日本に輸入され、禅の思想すらも取り入れられ、

独自の芸術へと進化していったのです。


こういった生い立ちを持つ文化ですから、

当然、茶室から道具にいたるまで、

その細部に【陰陽五行論】の影響が見受けられるわけです。


次回は

それらのほんの一部ですが、

茶の湯からみた陰陽五行について少し書いてみたいと思います。
 

またえにし

僕にとって茶道は幼い頃より身近にあった。

かれこれ40年も前からそれは母の唯一の趣味であった。


きっかけは単に花嫁修行の一環だったらしいが、

その趣味に対する情熱は日に日にエスカレートし、

習うだけでは飽き足らず、ついには弟子をとりはじめた。

自宅で稽古をつけるために、

自宅の仏間を茶道専用の部屋に改造するまでにいたった。

 

かつてのクローゼットには蛇口と棚が取り付けられ、

ご丁寧にライトアップまでされた水屋(みずや)となりはて、

8畳の仏間には炉(ろ)が切られた。

縁側は道具置き場になり、

一年を通して床の間に常設鎮座していた道真公の掛け軸は、

季節ごとの禅語の書いてある軸になった。

6畳間にある大きなキャビネットの大半を占拠していた、

度々銀行からもらってくるうちに強大となった “ キューピー人形 ” 30余体によって

構成された天使軍は、

すべて茶道関連の本に置き換えられた。

 

僕はといえば帰郷するたびに変わり行くそんな自宅を横目に、

なにはともあれ、熱意を注げる趣味があって

なによりなによりと感心するばかりで、

自ら茶の湯に手を染めてみようかなどとは

ついぞ思わなかったものである。

自分の母親に教えを請うというのも、

なにやら気恥ずかしかったこともある。

ごく身近にあったにもかかわらず、

その心得すら大してないというのは、

今になってみれば勿体無い。

 

まあ何にせよ、

たいした興味も惹かれなかったのだから仕様がない。

占いとの意外な共通点が知るまでは。

 

 

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 【お知らせ】

只今、家庭の事情により富山へ帰省中のため、

ほしよみ堂、およびかぎねこ亭での対面鑑定はお受けすることができません。

電話占いヴェルニでの電話鑑定、メール鑑定のみ承ります。

 

対面鑑定は富山でのみお受けしております。

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の続き。





 

SCU(脳卒中集中ケアユニット)の面会にはかなりの制限を受ける。


午前7:00~7:30

午後2:00~2:30

午後7:00~7:30


1回につき30分の面会しか許されていない。

30分を越える面会は、患者にとっても負担になり、

頻繁な検査や処置の妨げになるからという理由らしい。

面会できるのは基本的に家族のみである。


手術の翌日、SCUにいる母に面会するため、

僕はYとともに病院へ向かった。

 

ゲル状の消毒液で手を消毒し、不織布のマスクを装着し、

足先をセンサーにかざすと、たいそうな観音開き式のドアが開く。

入室前の儀式である。

 

入って右から2番目ベッドに母はいた。


手術後はじめて見る母は、

大きないびきをかいて寝ていた。

酸素マスクはすでに取り外されていた。


看護士に寝ている母を起した。

「息子さんですよ。」

眠りから覚めた母はまだ意識がはっきりしないようだったが、

しばらくすると、ようやくたどたどしく動く口を開いた。


まだ上手くしゃべれていない。

記憶も定かかどうかわからない。

母はただ、

「ありがとう、ありがとう・・・」

とひたすら繰り返した。


「うん・・・」

 

僕にはそれしかいえなかった。

 

「また来るからね。ゆっくり休んでね。」

 

僕の言葉を聞いて、母はほっとしたように再び眠りに落ちていった。

 


無理もない。まだ手術の翌日なのだから。

数分にも満たない会話も、母にとっては一仕事なのだろう。

後ろ髪もひかれつつ

母に対して今までに感じたことのない

妙な哀愁をかんじながら病院を後にした。

 

翌日の朝、携帯電話の着信音が鳴った。

電話の液晶画面に表示されているのは

病院の電話番号だった。

 


一瞬、嫌な予感が脳裏をかすめた。

「重要な容態の変化があれば連絡します」

初日に担当医から聞いた言葉が頭の中で反芻された。

 

僕ははやまる鼓動を感じながら、電話に出た。


 

 

その声は聞き覚えのある声だった。

 


母である。


一瞬、その事実を理解することができなかった。


昨日は意識や言葉さえままならなかった母が、

自ら電話を掛けてきたのである。


電話口であっけにとられている僕に、母は言った。


 

 

「うめぼし持ってきて。」

 

 

次回に続きます。

 

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【 お願い 】

12月24日にDOCOMOの携帯電話アドレスから某 件太郎あてに

メール鑑定のご依頼をいただきましたR様。

こちらからの送信メールが戻ってきてしまいます。

メールフィルターをご活用の場合、

お手数ですが、

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@yahoo.co.jpを指定受信に設定して頂けますようお願いいたします。

 

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