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神無月~霜月(13)

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神無月~霜月(11)

神無月~霜月(12)

 

の続き。




バニラアイスを半分ほど食べた母は、

満足そうだった。

もう少し食べたそうだったが、


「今日はそのへんにしときましょう。」

と看護師が止めに入ったので、

残ったアイスをSCUの冷凍庫に預けた。

 

そうだった。 “ 梅干 ” があった。

僕は先ほど買い求めた梅干を取り出し、

母に見せると、

「ソレじゃない・・・」

と首を横に振った。

せっかく買ってきた梅干は、

どうやら母の希望する “ 梅干 ” ではなかったらしい。

 

母によると、祖母宅に “ 自作の梅干 ” が漬けてある壺があり、

6月頃にまだ健在だった祖父に頼まれて漬け、

はじめて自分で上手くできた梅干らしい。

しかし日頃そんな梅干しを食していなかった母が、

なぜ今、梅干に固執するのかがわからなかった。


理由を母に聞くと、梅干が今後の母の命を左右するらしい。

担当医から一日最低2個は食べるように指示を受けたとのことだった。

一体そんなことがあるのだろうか?

 

看護師によると、

現在母はくも膜下出血の影響で、

血液中のカリウムやナトリウムが減少していく

“ 低カリウム欠損症 ” という症状に陥っているらしい。

そしてそれを補うために、

塩分のあるものを口にするとよいらしい。

その役割を担うのが梅干というわけである。

 

梅干というと、

なんだか塩分だらけなイメージがあり、

脳内出血の直後である上、

さらに血管が硬化しそうで怖いのだが、

低カリウム欠損症にとって、

なくてはならないものらしい。

 

まあだからといって、

なにもわざわざ自家製のものでなくとも

“ 梅干 ” でさえあれば一向にかまわないらしいのだが、

「あ、無理ならいいよ。無理しなくて・・・」

などと母に言われると、

つい、

「全然無理じゃない。無理なわけがない。とって来ようじゃないか。」

と本当は面倒くさいのだけれども、

虚勢というか、意地というか、見栄というか

そんなものに振り回されるのも

人としての性でしょう。


というわけで、たかが梅干されど梅干を取りに

一旦祖母宅まで戻った。


道中に100円で求めたパッキン付きの陶器製のビンに、

美味そうな赤紫色の自家製梅干をたっぷり詰め込んで母に届けた。


梅干の詰まったビンのフタには母の名前をかいた白いテープ゚が貼られた。

バニラアイスと梅干を皮切りに母の要望は次第にエスカレートしていった。
 

 

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【 お知らせ 】


 長い間休止しておりました対面鑑定およびレッスンを

2月2日より、再開いたします。


ご予約、お問い合わせは

渋谷ほしよみ堂 までお願いいたします。

 

 

 

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